花粉症・鼻炎と鍼灸

鼻炎の直接的原因

身近な鼻の病気で代表的なものは
○副鼻腔炎○花粉症アレルギー性鼻炎
○蓄膿症
といったところでしょう。

便宜上、このページでは花粉症という名称も使用しますが、
要は慢性的な副鼻腔炎です。花粉をきっかけとして増悪する、というだけのことです。

自覚無自覚を問わず慢性的な鼻炎があって、
ある季節だけ、あるいは特定のアレルゲンに触れた時だけ症状が強くなるのか、
より状態が悪く膿が溜まるまでいっているのか、
そういう差はあっても、起こっている現象はほぼ同じです。

主な症状は
○鼻水
○鼻づまり
○くしゃみ
○目の痒み・充血

直接的原因は目・鼻周囲の熱の停滞です。
では、なぜそこに熱の停滞が起こるのでしょうか。

花粉症・アレルギー性鼻炎の本質的原因

花粉症の原因はスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉が原因と言われます。
しかし、花粉は人間が生まれる前からあり、花粉症が増えたのはここ数十年のことです。

花粉はあくまで症状を引き起こすきっかけであって、
問題は花粉に対してそのような反応をしてしまう身体の方です。
花粉を敵にしている限り、花粉症は治りません。



花粉症が生じる時期は、主に春から夏の始め、夏の終わりから秋まで。
つまりは季節の変わり目です。
そして季節の変わり目は身体の変わり目でもあるのです。

人間の身体は冬の間は身体が冷えないように
陽気の過剰な放散を抑えるよう、
いわば閉じた身体、冬の身体になっています。

それが春になって自然の陽気が盛んになるに応じて
余分な熱が身体に停滞しないよう、適度に陽気を発散してゆけるよう、
いわば開いた身体、春の身体になってゆきます。

夏から秋にかけてはその逆です。

このように人間の身体、健康な体は季節・気候の変化に柔軟に対応できるように本来出来ています。
季節の変わり目に体調を崩しやすい人は、その切り替えが上手にできないほど
身体を弱く且つ鈍らせてしまっているのです。

花粉症になる人は季節・気候の変化への対応力が鈍っている



【身体を鈍らせる要因】
○空調の使い過ぎ・頼りすぎ
○運動不足
○呼吸器をしっかり使わない習慣
 口呼吸、肩で息をする、肋骨・肩甲骨・胸椎の可動制限
○食べ過ぎ
○偏食
○呑みすぎ
など

【環境要因】
○空調に頼らざるを得ない高断熱・高気密の家の増加
○化学物質の多い建築
○ハウスダスト(塵芥、ダニの死骸や糞、カビ、細菌、花粉、ペットの毛など)
○大気汚染
など


鼻炎 東洋医学的原因

鼻炎の直接的原因は既述のように呼吸器系の余分な熱の停滞です。
熱の停滞を解消するために各症状が生じているのです。

つまり、鼻炎、花粉症の症状自体は身体を治そうとする働きです。

【症状自体はいつでも正常である】



何故上焦(身体の上部)に熱が停滞するのか、
それは偏に冷えです。
この冷えは自覚無自覚を問いません。

東洋医学では内臓全体(六臓六腑)が互いに影響を与えながら生理的均衡を保つことで
健康を保っていると考えます。
この時、氣(気血水)は身体の各部に適量に配分され、スムーズに流れています。

この氣の流れ、身体のエネルギーが身体のどこかで不足したり停滞することで
様々な不調が生じてくるのです。

陽気(身体を温める 活動を促す)と陰気(陽気を制御し身体を冷やす 身体を回復させる)の
バランスの乱れにより、同じ一つの身体の中で熱の偏在が生じ、
陰気が増えれば冷え、その反動として制御できない熱が増えます。

実質的に熱が増えた場合の熱を実熱と言い、
相対的に熱が増えている場合を虚熱と言います。
アレルギー性鼻炎、花粉症の原因となる熱は虚熱によるものであり、
その根底には冷えがあるのです。


花粉症、鼻炎と東洋医学的鍼灸

上記のように花粉症やアレルギー性鼻炎の各症状は、氣の偏在の結果として生じます。
東洋医学に基づく鍼灸治療は、この氣の偏在、偏りを調整すること、
つまり内臓全体の機能の生理的均衡、身体全体を通る経絡(気の流れるルート)の調整を図ることによって
あらゆる病・不調のの改善を促してゆきます。

鼻炎や花粉症のための治療、ではなく、
鼻炎・花粉症という症状を出さざるを得なくなっているお身体全体の調整治療が必要です。
お一人お一人の本来の体質、病態、体力、体調に細やかに応じながら、
その人本来の治癒力の回復・強化、免疫力の正常化のための治療なのです。

巷では「花粉症のツボ」「鼻炎のツボ」など症状に対するツボ療法が紹介されていますが、
本来の東洋医学はそのようなアプローチは致しません。
「○○のツボ」はあくまで対症療法に過ぎないとご理解下さい。

当院の鍼灸治療

上述のように、本来の東洋医学は氣(気血水)の調整によって、
つまりは内科的調整によってあらゆる病・不調の回復を図る治療体系になっています。

ただ、伝統的な東洋医学は内科的洞察を重んじるあまりに、
身体の構造的側面の理解・アプローチに弱い部分がありました。

しかし、ソフトはハードに影響を受けます。
内科的問題は構造的問題の影響を受けざるを得ないのです。
つまり、脊柱・骨盤・頭蓋骨・四肢など骨格上の歪みの問題です。


【鼻炎・花粉症・蓄膿症などの呼吸器疾患になる身体には】
【それ特有の身体の歪みがある。】

その歪みの考慮に入れずに、内科的な調整だけを行っても体調の回復には自ずから限界があります。

よって当院では、内科的診断とともに厳密な骨格診断に基づき、
心身全体の機能的不調和と構造的不調和の調整を鍼灸治療によって進めてゆきます。
※必要に応じて手技による骨格調整をする場合もあります。

各種症状は回復したあなたの治癒力が治めてゆくのです。

【治療は治せる身体になるための手助け】
【病を治すのは治癒力そのもの】


養生の大事

既に述べたように、花粉症・アレルギー性鼻炎などと呼ばれる慢性的な副鼻腔炎は身体の鈍り、
季節・気候の変化に対応できない身体の鈍りがあるからです。
季節の変わり目だけでなく、年中鼻炎症状のある人、蓄膿のある人は
より身体が鈍って慢性化・固定化してしまっているのだと理解しましょう。

よって、その鈍りの原因のとなる生活習慣の改善=養生は不可欠です。

治療院での治療は、お身体の病態を改善することはできても
その不調の原因となる生活習慣自体を改善することはできないのですから。

食養生
 過食・偏食、喫煙、糖分・炭水化物の摂取制限など
姿勢の養生
 深い呼吸の出来る姿勢 深い呼吸のできる呼吸器の使い方の習得
心の養生
 精神的ストレスを呼び氣の停滞を招く、
 悲観主義・心配性・不平不満・被害者意識など負の思考習慣の改善
及び
○環境の改善
 
それぞれの習慣の問題点は人それぞれですから、
お身体の状況に応じて適切な養生をお伝えしますので、
是非積極的に取り組んでみてください。

養生(自己治療)と治療院での治療は治癒への両輪

なお、花粉症の治療は症状が生じる時期よりも前に、
早め早めに治療を始めることをお勧め致します。

花粉症や鼻炎でお悩みの方は
加古川市の根本治療専門院
鍼灸治療院きさらぎへご相談下さい。
TEL 079-421-9353

院長 吉良 淳
はり師・きゅう師(国家資格)
漢方鍼灸臨床研究会認定漢方鍼灸医
日本刺絡学会認定鍼灸師
FTPピラティス認定ベーシック・トレーナー  
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 予約制 TEL 079-421-9353  

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