骨盤底筋弱化の諸問題 そしてあなたの未来について
骨盤底筋とは骨盤の底で身体を下から支える筋肉群の総称です。
主に内臓を支えるとともに、排泄を制御する働きがあります。
昨今、この骨盤底筋が弱っている方が老若男女問わず増えています。
不良姿勢や運動不足、および慢性的な食べ過ぎが原因です。
座位では仙骨を立て、坐骨で座ることができずお尻の肉で座り、
立位ではお尻の筋肉が働かず、主にお尻が落ち(骨盤後傾)た姿勢となります。
後ろ重心となり、バランスを取るため、頭を前に傾け、肩を巻き込む猫背姿勢になりやすくなります。
物理的に体の前側がつぶれ狭くなり、下の支えが弱くなることで内臓下垂が生じます。
下腹部、骨盤内臓器が上から圧迫され血行が悪くなります。
さらに足首・股関節・骨盤などの捻じれがあれば、当然、中にある内臓にも捻じれの負荷がかかります。
慢性的に捩じれや圧迫の負荷にさらされ血行不良が続くことで、
内臓や周囲の組織も十分に栄養されず、機能低下や慢性炎症が発生し、
様々な症状の要因となります。
【頻尿(過活動膀胱)】
【しぶり腹】
【過敏性大腸炎】
【PMS(月経前症候群)】
【尿漏れ】
【子宮脱】
【不妊】や【不育症】
その他
骨盤底筋を含め、下半身の弱化は東洋医学的には【腎】の弱化です。
東洋医学における【腎】は腎・膀胱の働きはもちろんのこと、
体温を適切に保ち、生殖器系を司り、深い呼吸ができるかどうかのカギを握り、
生まれ持った生命力と関わっています。
また髪や耳、骨とも関わっています。
ちなみに誰しも年を重ねるにつれ腎虚になります。
髪が薄くなったり白くなったり、耳が遠くなったり、骨が弱くなったり、
気力・体力が落ちて老いてゆくのは想像しやすいのではないでしょうか。
これを生理的腎虚と呼びます。
生理的腎虚以上に腎虚傾向が進むことを病的腎虚と呼びます。
その大きな要因が骨盤底筋を含む下半身の弱りです。
下半身が弱いほど老けやすい、ということですね。
筋力不足・運動不足に伴う血行不良により冷えが生じ、
冷えの反作用として余分な熱の発生を生み、熱が上部に停滞することで
不眠、耳鳴り、めまい、動悸、高血圧などの上半身の症状にもつながってゆきます。
骨盤底筋は横隔膜と連動していますから、骨盤底筋が弱化すると
深い呼吸がしずらくなり、治癒力、免疫力が低下します。
小脳テント(大脳と小脳を分ける横に張った幕)も連動して低下すると
小脳側に影響が出れば運動機能や視覚機能の異常、
大脳側に影響が出ればホルモン分泌の異常などともつながってきます。
さて、
筋力不足・運動不足によりエネルギー消費が少ない状況では
相対的に摂取エネルギーが高くなりやすく、
そんなに食べているつもりはなくても、結果として「食べ過ぎ」となり
脾臓(東洋医学において消化器系を司る)が弱る脾虚となります。
脾臓には内臓を適切な位置に保つ働きがありますから、
脾虚になることによっても内臓下垂が生じます。
脾虚になると脾臓が本来制御している胃の働きが暴走し、
必要以上に食べてしまい、益々脾臓が弱るとともに、
分解・吸収・排泄を司るほかの臓器にも影響し、
内臓全体が疲弊してゆきます。
飲食物から栄養を取り出し、適切に吸収し、適切に排泄してゆく機能が低下してゆく、
ということですね。
新しい気血の生産が不十分となり、血が足りなくなり【血虚】
その血の流れが滞り【瘀血(おけつ)】
瘀血自体は熱を生じやすいですが、全体としては冷えが深くなり、
回復力が落ちてゆきます。
昨今は元々の体質(腎虚体質、脾虚体質など)の問題もありますが、
下半身の筋力弱化と食べ過ぎにより、その度合いは様々ですが
この腎虚と脾虚が同時に起こっていることが少なくありません。
姿勢と食生活、二つの問題によって骨盤底筋群の弱化、
それに伴う様々な不調が起こっているということです。
しかも骨盤底筋の弱化は御高齢者に限ったことではありません。
20代の女性でも密かに尿漏れに悩んでいる、ということが増えてきているようです。
生活の中で身体を使うことが減り、
長時間のスマホや電子ゲームの利用が当たり前になっている昨今では、
子供ですら体をまっすぐ保っていられるだけの筋力さえ無い子が増えています。
姿勢が悪いと集中力・理解力・気力・体力などが低下しますから、
子供の場合はたとえ肩こり・腰痛・頭痛など具体的な症状が無くても、
成長の面で大変心配です。
当院では鍼灸治療によって主に内科的調整を
手技治療によって構造的調整を図り、お身体本来の機能を回復せしめるよう施術してゆきます。
しかし、日常の身体遣いを改善したり、筋力を強化してゆくのはご本人にしかできません。
治療はあくまで治るための手助け。
治療によって整えた状態を維持し、さらにどう活かしてゆくのかはご本人次第です。
「治療さえ受ければ」
そんな風に思っていませんか?
多くの病や不調の原因はご本人の日々の積み重ね、生活習慣にあります。
医療に依存的になるということは、
逆に言えば自分の健康に対する自分の責任を蔑ろにしているということ。
その時点で治る可能性、自分の身体の可能性を制限していることにもなります。
逆に自分の現在の健康状態、そして未来の健康についての責任を自覚し、
問題意識を持ってお身体と向き合い、理解を深め、
日常をより良く変えていこうと養生やリハビリ、トレーニングなどに
主体的に取り組める方ほど、同じ治療を受けても予後は良くなります。
治療に対する身体の反応がそれだけ良くなるとともに、
その身体の反応・変化を捉える感度も磨かれ、
そこから日常に活かせる気づき・発見も増えてくるからです。
日常を大切にし健康度を上げてゆくという取り組みは、
自分の可能性を広げ、未来を明るく変えてゆく楽しいプロジェクト。
先ずは意欲さえあれば誰でも取り組める姿勢、
立ち方・歩き方・座り方から変えてゆきませんか?
当院は本気のあなたの味方です。
加古川市 根本治療専門
鍼灸治療院きさらぎ
院長 吉良 淳
TEL 079-421-9353
兵庫県加古川市野口町野口431-3
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