風邪と鍼灸 新コロナ騒動によせて

毎日毎日、新型コロナウィルスに関する報道ばかり。
迷走する政府、過剰に煽るメディア。
無駄に右往左往する人々。

冷静になりましょう。

新型コロナウィルスは通常の風邪ウィルスの
ひとつであるコロナウィルスの親戚です。
感染力は強くても重症化率は低い、
高くても通常のインフルエンザよりも少しばかり強い程度。

以前世界的に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や
中東呼吸器症候群(MERS)ほど致命的ではないとのことです。
(致死率:SARS 9% MERS 10% 新コロナ2%)

重症化しやすい傾向が窺われるご老人や
持病がある人など一部の例外を除けば、
風疹や麻疹などと比べても
過剰に恐れるほどの感染症ではありません。

ただし、感染力は非常に強いので
その点はしっかりと警戒し、
状況を冷静に判断し、
適切に恐れ、対処しましょう。
そして感染症に対して何が最も大切か、有効か考えてみましょう。



喫緊の対策としては、
〇接触感染予防としての手指消毒や手洗い
〇拡散予防としての咳エチケット
はもちろん大事です。

〇換気が悪い密閉空間・多数集まる密集場所・間近で会話が発生する密接場面を避ける
ことも、クラスター感染対策(感染集団の発生を抑える)として重要です。

しかし、長期的な視点に立った時は話は少し違ってきます。
害になるものや、汚そうなものを排除し、
それを遠ざけようとするだけで良いのでしょうか。

同じ無農薬の畑でも殺菌した土壌の畑は
ひとたび腐敗菌が入ると一気に広がります。

人間だって同じです。
消毒・殺菌・滅菌を過剰に意識し過ぎた環境で過ごしていると
人間の免疫力も落ちてゆきます。
過保護は人間を弱める行為です。

コロナ騒動の最中の今は、感染しないようまたうつさないよう
最大限気を付けて行動せざるを得ないのは致し方ないことですが、
このコロナ騒動が落ち着いた時どうするのか、
一度考えてみませんか?



また雑菌・病原菌に神経質になる余りに
そうでない人に対し暴言・暴行を働く人も出てきています。
心の免疫力も落ちてしまっているのでしょう。

東洋医学では悲しみ・憂い・心配、悲観的思考は
肺(呼吸器系)と深く関わると捉えられています。
適度な消毒、予防対策は必要ですが、
過剰な心配はそれ自体が免疫力を下げてしまう、
ということも知って下さい。


致死率は低いが感染力は強い → ウイルスの拡散が続きやすい
発症率が低く感染に気付かない人が多い → 感染を拡大させやすい
PCR検査は感度・精度が低く、あてにならない
「(そんな)検査の数を増やせ」は医療崩壊を招く
「陽性」が出たところで現時点では対症療法しかなく、対処できる人数も物理的に限界がある



現実を冷静に考えれば、
最も有効にして大切な対策が見えてきませんか?

感染しても発症する人、しない人、
発症しても軽症で済む人、重症化する人がいます。
その違いは一体なんでしょうか。

そう、一番の対策は自らが強く変わること。
自己改善。
多くの方にとってはめんどくさく、億劫で、
向き合いたくないこともかも知れませんが、
免疫力を下げない、治癒力を下げないよう
生活習慣(食事、姿勢・運動、思考)を
見直すことです。



さて、感染症と鍼灸治療に関するお話です。
一般的にはあまり知られていませんが、
東洋医学的な鍼灸治療は風邪など感染症にも大変有効なんですよ。
※(西洋医学的鍼灸を除きます)

「かぜをひく」の「かぜ」
漢字で書けば「風邪」
これが東洋医学の言葉だとご存知でしたか?
専門的には風邪(ふうじゃ)と読みます。

東洋医学では外気の種類を六種、
「風・火・暑・湿・燥・寒」に分類し、
それぞれが不調のきっかけとなる「邪(じゃ)」
となります。

風(ふう)は体表の熱を奪い皮膚や粘膜を乾燥させます。
外気に対する抵抗力が弱まるわけですね。
結果、ウィルスや細菌の侵入を許しやすくなります。

寒(かん)は冷えによる血行不良により
皮膚・粘膜が弱り、免疫力が下がります。
内側が弱まれば外側も弱くなりますので
風邪も重なり、
結果、ウィルスや細菌の侵入を許しやすくなります。

このように外気の変化を刺激として体調を崩す場合、
六種の外気は「六淫(ろくいん)」となり、
「外邪」となります。

では、そもそも普段なら平気な風や寒が
なぜ時として風邪や寒邪となるのでしょうか。
勘の良い方ならもうお気づきかも知れませんね。

肝心なことは、外気自体が問題ではないということです。
外気を邪として反応してしまう内側の弱さこそが
問題なのです。

外気を跳ね飛ばす衛氣(えき)さえしっかりしていれば、
外気の多少の変化など問題にはならないのですから。

外気を外邪として受けてしまう生気の弱り、
内因(ないいん)、
そもそもの治癒力・免疫力の低下自体が問題なのです。



衛氣は呼吸器と関係の深い氣です。
猫背で胸を閉じ、いつも肩で息をしているような
呼吸の浅い人。
或いはクヨクヨ、心配性、悲観的な人。
こんな方は衛氣が弱くなりがちです。

「納気を主(つかさど)る」と言われる腎が
弱ければ深い呼吸ができず、
さらに治癒力・免疫力は落ちてしまいます。
腎は下半身の強さや生殖機能とも関わり、
身体の正常な熱を保つ役割がありますから、
足腰の弱い人、冷えの強い人は注意が必要です。

心当たりはございませんか?



さて、外邪がなんであれ、
東洋医学は内因を相手にし、
心身全体の機能的バランスの調整を図ります。
起こっているお身体の状況自体を調整し、
強化していくわけですから、
細菌やウィルスの種類の違いは
さしたる問題ではないのです。



風邪(かぜ)の諸症状は
身体が菌やウィルスと戦ってくれている証拠。
ですから基本的には身体を信頼し、感謝しつつ、
症状の出るままに任せておけば良いのですが、
余りに症状が酷くて辛い時、
或いはずるずると症状が続き、治りが悪い時などは
鍼灸治療を受けることも一つの選択肢です。

当院ではお身体の現状だけでなく、
元々の体質・体力などお一人おひとりの状況に合わせて
必要な治療を提供致します。


ただし、予めご理解して頂きたいことがあります。
それは

東洋医学的な鍼灸治療は
症状を抑えるための対症療法ではなく、
症状によって身体がなそうとしていることを
助けるための治療だということです。
症状を出す必要性を取り除いていくための治療とも言えます。

治癒力・免疫力が高まる(正常化)のですから、
病位(病の深さ、時期)によっては
一時的に症状がより強く出ることもあります。
その結果、治りが速くなるわけです。

もちろん過剰に症状が出すぎ、
すなわち免疫反応が強く出すぎている場合は
それを鎮静化させてゆきます。

低下している機能には補助してゆく治療・・補(ほ)と呼ばれる治療を、
高ぶっている機能には治めてゆく治療・・・瀉(しゃ)と呼ばれる治療を、
東洋医学的鍼灸治療はお身体の状況と変化に応じて柔軟に対応してゆけるのです。


〇少々のことでは感染しないよう衛氣を上げたい
〇感染しても発症しない抵抗力を身につけたい
〇発症してもすぐに治せるよう免疫力をあげたい
〇辛い風邪をなんとかしたい
〇長引く風邪症状をなんとかしたい
〇年中風邪をひいている状況から卒業したい

そんな方は当院にお気軽にご相談下さい。



根本治療専門 鍼灸治療院きさらぎ
TEL 079-421-9353
兵庫県加古川市野口町野口431-3

a:1261 t:1 y:0
マスク 女性